LRQAのお客様の成功事例をご紹介します。
2007年10月01日
(敬称は2007年当時)
株式会社 伊藤精密製作所 ITOH PRECISION CO.,LTD.
代表取締役社長 伊藤 康裕 氏
住所 : 〒503-0321 岐阜県海津市平田町今尾1663-1
TEL : 0584-66-2633(代表) FAX : 0584-66-2757
URL : http://www.smiling.co.jp/
エネルギッシュな若き二代目社長が率いる、株式会社伊藤精密製作所。顧客からの要求に応えながら、企業革新を目指していくために、2005年に ISO9001とISO14001を同時認証取得した。その後、品質・環境マネジメントシステムを成熟、レベルアップさせ、品質向上、新規顧客獲得といった大きな成果に結び付けている。
昭和34年の創業以来、岐阜県で切削加工のスペシャリストとして通信機器、自動車、住宅設備などの部品製造を行ってきた株式会社伊藤精密製作所。5年前に代表取締役に就任した若き二代目社長 伊藤 康裕 氏は、伝統ある同社にISOという新しい風を吹き込んだ。
「数年前から新規営業に行くとISO9001の認証取得を取引条件とする会社が増えてきました。そこで、当社でもISO認証取得の準備を始めたのです。」
と伊藤氏はISO9001認証取得の理由を語るが、同社ではこのときISO14001の同時取得を目指した。
「当時、すでに環境経営が欠かせない時代となっていました。まずは、ISO9001とも考えましたが、その後、ISO14001を続けて取得するには、モチベーションを持続させるのが難しい。であれば、+30%の力を出して同時取得する方が、効率的ではないかと考えたのです。」
伊藤氏はISOの認証取得に、もう一つの大きな期待を抱いていたという。
「私が父から会社を継いだのは、36歳のとき。大ベテランが揃う中で、経験不足の私が自分の想いを伝えるだけでは、会社を動かすのが難しいと実感していました。自分の考え方を具現化するためには何らかの仕組みが必要であり、その仕組みとしてISOが最適ではないかと考えたのです。」
また、以前、他の業界で働いた経験もある伊藤氏は、切削加工の作業現場に違和感を覚えていたそうだ。
「切削加工の現場では油まみれが当たり前だと、従業員は思い込んでいました。でも、作業効率、安全性、従業員満足、リクルート…、あらゆる面で、もっとクリーンな現場にすることが必要だと感じていました。そのために、ISO14001が活用できるのではないかと考えたのです。」
そして、2005年5月、同社はISO9001とISO14001の同時認証取得を果たした。当初は、書類づくりや間接業務が増えることに従業員も戸惑っていたが、業務を知り尽くしたベテラン社員たちが率先して取り組んでいくことで、徐々にISOが浸透。ISOがうまく機能して、社内の空気が変わり、経営もうまく回りはじめたと、伊藤氏は実感しているようだ。
実は、同社では初回審査時の審査登録機関はLRQAではなかった。LRQAに移行した経緯について、取締役室長 佐藤 光明 氏は、次のように振り返る。
「更新審査時に、審査登録機関の移行を検討しました。2000年版スタイルの規格への有効性を重視して審査してくれることと、規格発祥の地での歴史、伝統が決め手となり、LRQAにお願いすることにしたのです。」
また、QMR/シニアエキスパート 迫田 文雄 氏は次のように語る。
「審査員からの鋭い指摘には、小手先の改善ではなく、業務そのものを見直し、業務の本質を改善するようにしています。一人ひとりに業務フローで、自分の業務プロセスを洗い出してもらい、標準化を進めていくとムダ、ムラ、ムリを潰していくことができ、より精度の高い業務フローができあがっていくのです。」
一方、ISO14001の環境負荷低減についての考え方も大きく変わったそうだ。
「初期の、紙・ゴミ・電気の削減から、製造を効率的にすすめエネルギーのロスを減らすとともに、不良品・材料のロスを削減する取り組みへ。さらに、今回の統合審査を受けて、品質・環境マネジメントシステムが同じ経営活動のそれぞれの側面であると捉えられるようになり、現在では、各部門で両システムを統合的に展開するようになってきました。」
とEMR/経営企画室チーフ 近藤泰弘 氏が語るように、同社では、品質・環境マネジメントシステムをうまくリンクさせて、効率的な運用をしているようだ。
このように、ISOを成熟させてきた同社では、その成果が大いに表れていると、佐藤氏は胸を張る。
「以前は、品質管理レベルを向上させると、不良件数にバラつきがあったのですが、ISO導入後には安定させることができました。不良件数70%OFFの目標もクリアしています。営業面でも、ISO認証取得後に、国内トップの自動車メーカーのグループ企業から発注をいただき、これを契機に自動車関連企業の取引先が急増、売上げも大きく伸びました。」
こうしたISO導入の大きな成果の陰には、積極的な内部監査もあるようだ。品質・環境同時に行う内部監査での指摘事項は50項目、多いときには70項目にものぼるという。この綿密な内部監査には審査員も驚きを隠せないそうだ。ISOの仕組みを徹底して活用しようとしていることが、この事実だけでもよく分かる。しかし、同社ではこれに満足することはなく、より高いレベルを目指していると迫田氏は熱く語る。
「2倍簡単で、2倍効率的で、2倍の収益があがり、2倍のスマイルが生まれる、そんなマネジメントシステムを目指していきたいですね。そのためには、まずは、我々がもっとISOを勉強して、従業員の理解を促していかなければなりません。」
さらに、伊藤氏はISO活用の理想像について、次のように考えている。
「大企業を真似するのではなく、我々の身の丈に合った仕組みづくりを目指していきたいと思っています。もっとシンプル&スピーディな仕組みにして、ISOを習慣化、風土化させていくことが理想なのではないでしょうか。」
ISOの効果的な活用を、経営革新、新規顧客獲得に結び付けてきた、伊藤精密製作所。今後の大きな躍進が期待できそうだ。
同社では、難しいと思われがちなISOを従業員に理解してもらうために、規格早分かりカードを配布している。環境方針などをカードとして配布するケースは多いが、同社では、規格の一部を分かりやすい言葉に置き換え、カードに記載して配布。業務の中に、ISOを自然に取り入れている。
LRQA機関紙「Value Eyes」に掲載されている事例紹介記事です。