ケーススタディ

LRQAのお客様の成功事例をご紹介します。

この企業に聞く
品質(QMS): 日本パレットレンタル株式会社様

2008年11月01日

(敬称は2008年当時)

日本パレットレンタル株式会社
代表取締役社長 山崎 純大 氏
ISO委員会 委員長 渡辺 雅巳 氏
〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町2-13-11 国際ビル
TEL.03-3666-7791(代) FAX.03-3666-7531
http://www.jpr.co.jp/

合理的な物流システムの構築や環境負荷の削減を目指して、パレットのレンタルの仕組みを提供している、日本パレットレンタル株式会社。2007年12月、 ISO9001の認証を取得したが、これによって社内の業務システムの統一化、効率化や、サービスの付加価値向上を実現したという。
 
 
 
 
 

パレットの共同利用で物流の合理化を推進。

物流の中でパレットは必要不可欠な資材だが、このパレットを自社の資産として所有すると、その管理や無駄な荷役、補充などが必要となってしまう。そんな問題を解決するために、パレットをレンタルして、合理的な物流システムの構築を推進しているのが、日本パレットレンタル株式会社だ。
「パレットを自己所有してしまうと、繁忙期に備えた余分なパレットの用意や空パレットの回収の手間があり、物流コストの問題も発生してしまいます。そこで複数の企業間で同一規格のパレットをレンタルにより共同利用して、さらに使用後の空パレットを共同で回収していけば、物流が合理化できます。販売は競争、物流は共同という考え方で、一貫パレチゼーションを実践していけば、コストを抑えられるだけではなく、トラック輸送が減りCO2削減にもつながるのです。」
と同社 代表取締役社長 山崎 純大 氏は、同社の一貫パレチゼーションサービスのメリットを力説した。
そんな同社が、ISO9001への取り組みをスタートしたのは、2006年のことだった。
「当社では、各部門間で書類の管理などにばらつきがあり、お客様への均質なサービスの提供という視点で、課題となっていました。各部門共通の業務の仕組みをつくらなければならないと感じていました。」と山崎氏は、認証取得の理由について語った。

手づくりのISO9001認証取得を目指す。

こうして、同社のISO9001認証取得への取り組みがスタートした。認証取得するために、コンサルタントを活用する企業も多いが、同社では、自社スタッフの手づくりの認証取得にこだわったそうだ。
「導入前に、お客様にISO9001を取得するというお話をしたのですが、コンサルタントに指導してもらうよりも、自分たちで自社の業務システムの問題点を洗い出し、何が足りないのか現状認識していくことが大切だというご意見をいただいたのです。」
こうして、同社では、コンサルタントを活用せずに、LRQAのギャップ分析を活用することとなった。そして、ギャップ分析へ向けて各部門で業務の洗い出し、マニュアル整備を進めていったという。しかし、これまで各々のやり方で業務を行ってきたため、新しい業務の仕組みを導入することには、抵抗感を持つ社員も多かったと山崎氏は振り返る。
「ISO9001の取り組みはトップダウンで決めましたから、社員たちは、社長が言ったからと納得はしても、ISOのよさを自らが理解してはいませんでした。そのために、なかなか腰が重かったのではないでしょうか。」

ISO導入の中核を担ったのは、フレッシュな人材。

こうした状況下で、同社では2007年4月にLRQAのギャップ分析を行ったが、問題点は数多く出てきたという。しかし、これはコンサルタントを活用せずに、まずは、問題点を洗い出すという目論み通りだったといえる。さらに、次なるステップへ向けて、ISO委員会に若手・中堅の社員たちを抜擢。フレッシュな人材を中核に据えて、認証取得を目指すこととなった。各委員たちはISO9001という世界標準の業務システムの考え方を学び、それが刺激となり積極的な取り組みを進めていったという。
情報システム部門や生産部門では、チームとして定型業務を進めていたので、比較的マニュアルも整備されており、ISO9001は受け入れやすかったようだ。しかし、営業部門などでは業務の仕組みづくり、マニュアル化には苦労をしたと、営業本部 種村 孝義氏は語る。
「営業部門では個々の能力に頼る傾向があり、元々、親の背中を見て育てというような風土もあったために、マニュアル化は難しかったですね。」
こうした中で、ISO委員会委員長の渡辺雅巳 氏は、できるだけ自然な形で、ISO9001を導入していくことを目指していたという。
「元々あった業務システムを総入れ替えすることはできません。規格の要求事項を鵜呑みにするのではなく、自社の業務システムと照らし合わせて、必要なものをアレンジしながら取り入れていくようにしました。長い目で考えながら、少しずつ、業務を改善していければ成功すると考えていました。」
こうして新しいISO委員会での活動が活気づいていくと、多くの社員がISO9001の必要性を理解して積極的に取り組みはじめ、2007年12月、遂に念願のISO9001認証取得を果たした。

レンタル商品  プラスチックパレット 木製パレット Jコン(プラスチックコンテナ) パレテーナ カーゴ・テーナ


パレット積込み  レンタルパレットの受注業務を行なうILSセンター  ISO委員会の風景

 

どんな業界でも通用する社員へと成長。

認証取得後、社内の各部門では様々な効果が表れたようだ。受注業務を担当するILSセンターでは、パレット納品までのプロセスにトラブルが生じた場合に、原因を把握してしっかりとした予防策を取るようになるなど、意識改革が進んでいるようだ。また、お客様満足はなかなか確認しづらいものだが、ISOの導入後、お客様の声を積極的に聞き出すようになり、何か問題がある場合には、PDCAサイクルで改善していこうという取り組みも進み始めている。さらに、 ISO9001の導入が難しいとされていた営業部門でも、見積り書や請求書だけではなく、お客様との交渉の記録など個人で管理していたものを記録として残していくようになり、個人の業務が見える化していったという。
「是正処置、予防処置の記録があがってきているので、様々な効果が生まれてきていると思います。しかし、何よりも、社員達の間で、自然とISOという言葉が出るようになっており、確実にISOの考え方が浸透していることが大きいですね。」と渡辺氏は語る。さらに、山崎氏は次のように続けた。
「社員たちは、悩みながらもISO9001の必要性について勉強し、理解して、日々成長しています。ISOというのは、どこの業界でも通用する業務の仕組み。これを社員たちはしっかりと理解していますから、どこに行っても通用するはずです。これこそがISOの真の成果といえるかもしれませんね。」

ISO9001の登録証や品質方針


 

ISOという共通の仕組みで顧客との関係を強化。

さらに、認証取得後、お客様からは、見積りひとつとっても今までとは対応が変わったという声を寄せられたようだ。こうした小さな評価が積み重なることは、ISO導入が成功した証といえるだろう。さらに、サービスの付加価値も高めることができたと山崎氏は語る。
「これまでは、自社のやり方で提供していましたから、パレットのレンタルや回収といった業務の中での効率化について、お客様との間で見解にズレがあったようです。しかし、現在は、お客様とISOという共通言語で話をすることでそのズレが解消でき、より効率的で付加価値の高いサービスを提供する体制が整いつつあると感じています。」
同社では、ISO9001認証取得を起点として、2010年へ向けて社内改革を進めようとしている。その一環として、レンタルパレットのネットワークに ICタグ RFIDを融合させ、サプライチェーンの可視化を実現して、さらに効率的で安全性の高い物流サービスを提供することを目指している。
「サプライチェーン管理のニーズは確実に高まっています。ソフトとインフラをさらに整備していくことで、そうした期待にお応えしていくことができると考えています。“たかがパレット、されどパレット”といわれるように、物流の中でパレットは必要不可欠なもの。だからこそ、私たちとともにパレットについて見直していただき、物流全体に変革を巻き起こしていきたいですね。」
2020年までに、一貫パレチゼーションを大きく普及させて、日本を物流先進国にしていきたいと熱く語る山崎氏。ISO9001の認証を取得した同社の発展と、日本の物流の進化に、大きな期待を抱かせてくれた。

審査、監査の指摘を受け入れる風土を醸成

同社では、ISO活動の進展とともに、業務改善につながる審査、監査の指摘を受け入れる風土ができあがってきたと渡辺氏は語る。「LRQAの審査では、規格に適合しない部分はハッキリと指摘してもらえるのでありがたいですね。規格の解釈の仕方も勉強になります。」また、LRQAの審査だけではなく、内部監査の活性化にもつながると、ISO委員会副委員長 小林 実 氏は語る。「継続改善していくには、社内の内部監査が何よりも重要ですが、LRQAの審査を受けると監査の参考になりますし、社内のISOに対する意識も高まっていきます。」同社では、内部監査だけではなく、部内監査も実施するなど、継続的改善へ向けた取り組みを本格化させている。

ISO講習会の開催やISOニュースを配布、社員の意識の向上へ

同社では、ISO9001を社内に浸透させるために、様々な取り組みを行っている。そのひとつが、ISO講習会の実施だと、マーケティング本部 那須 正志 氏は語る。
「講習会を行うことで、ISO委員会と社員たちの距離感が縮まったように感じます。私たちが率先して勉強して、ISOを社内に浸透させていきたいと考えています。」
また、ISOニュースも発行して、内部監査の予定、目的などを告知していくことで、さらに社員たちの理解を深めようとしている。

物流の効率化、環境負荷を削減する、一貫パレチゼーション

一貫パレチゼーションとは、製造工場から流通・小売まで、企業と企業をつなぐサプライチェーン上で、同一のレンタルパレットに荷物を積載したまま輸送を行うこと。パレットを物流の基本単位として企業間でリレーすることで、従来のパレットからパレットへの商品の積み替え作業を不要にし、サプライチェーン全体で輸送を効率化することができる。また、回収を共同化して、物流の無駄を省き、省エネルギー、排ガスの軽減など、様々な環境負荷の削減にもつなげることができる。こうしたサービスを展開している同社では、今後、ISO14001の認証取得も視野に入れている。

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