ケーススタディ

LRQAのお客様の成功事例をご紹介します。

この企業に聞く
環境(EMS): 住友ゴム工業株式会社様

住友ゴム工業株式会社
ISO14001 環境マネジメントシステム取得
代表取締役社長 三野 哲治 氏
本社:〒651-0072 神戸市中央区脇浜町3-6-9
TEL.(078)265-3000 http://www.srigroup.co.jp/

環境対応商品の開発やISO14001の積極活用…、環境をキーワードにさらなる飛躍へ。

1909年に創業以来、数々の先進的なタイヤを世に送り出し続け、2009年に創業100年を迎えた住友ゴム工業株式会社。環境対応商品として、97%石油外天然資源タイヤを生み出すとともに、世界各拠点のISO14001の認証を統合化するなど、“環境”をキーワードとした先進的な取り組みでさらなる飛躍を目指している。

“先進性”と“信頼”をアイデンティティに、創業100年を迎えた住友ゴム工業

住友ゴム工業が創業したのは、1888年に世界初の空気入りタイヤを発明したジョン・ボイド・ダンロップを祖とする英国ダンロップが、神戸にタイヤ工場を設立した1909年。以来、数多くの先進的なタイヤを生み出し続け、昨年、創業100年を迎えた。

「創業者のダンロップが空気入りタイヤを発明してから、日本へ進出するまでわずか20年。ダンロップのアイデンティティである“先進性”と、約400年前に創業して以来、住友グループが培ってきた“信頼”。当社は、このふたつのアイデンティティを持つ企業です。これから次の100年、持続的な成長を続けていくためには、このふたつのアイデンティティを大切にしていかなければならないと考えています。」

と、代表取締役社長 三野 哲治氏は語る。そんな同社が100周年を迎えて掲げたスローガンは、“for you, for the earth”だ。“for you”は、お客様の安全や快適、品質、経済性を追求しながら、経営の健全性と透明性を高め、すべてのステークホルダーに対して誠実であること。また“for the earth”は、歴史に培われた経験や最先端の技術を活かし、地域や社会、さらには、地球環境の未来のために貢献していくことを表している。まさに、同社のアイデンティティである“先進性”と“信頼”をベースに、持続的な成長へとつながるスローガンだ。

他社と差別化できる商品として“97%石油外天然資源タイヤ”を開発

また、同社では、2006年に長期ビジョンとして、“GO FOR VALUE”を掲げている。 「企業がこれから社会に貢献できる存在として勝ち残っていくには、すべてのステークホルダーへ価値を創造していかなければなりません。そのために、当社では、世界一の現場力・技術力・開発力を目指し、業界No.1の収益力を実現していきたいと考えています。日本企業はものづくりのチカラ、すなわち現場力を磨くことが大切であり、品質はもちろん、コスト競争にも勝ち残っていかなければなりません。当社では、アジア・ベスト・コストプロジェクト、略してABCプロジェクトを推し進めています。」

アジアでベストになれば、世界一になれる、現場力をつけてコスト競争にもチカラを入れていくと、三野氏は力説する。

さらに、開発力、技術力として、商品力を向上させること、他社と差別化できる独創性を持った商品を生み出すことが大切だという。そうした同社の取り組みの中で生まれたのが、他社にはない環境対応商品である97%石油外天然資源タイヤ「ENASAVE 97」だ。

「現在、ハイブリッドカーや電気自動車などが注目されるなど、自動車業界における大きなテーマは環境負荷の低減。こうした中で、低燃費性のタイヤが求められています。」

と三野氏は語る。タイヤにおける低燃費性とは、転がり抵抗の数値を低減させることだが、97%石油外天然資源タイヤ「ENASAVE 97」は、有限な化石資源を使わず再生可能な素材を使っているだけではなく、低燃費性能も実現できるタイヤだと、三野氏は次のように説明する。

「我々が開発した“ENASAVE 97”は、ほとんどが天然素材でできているタイヤです。そのメイン素材である再生可能な天然ゴムは、実は、転がり抵抗にも優れた素材。化石資源の枯渇問題も、低燃費性も両立できる、まさに究極のエコタイヤといえるものなのです。」

現在は、石油外天然資源は97%だが、今後、100%を目指して開発を進めているという。

各拠点のISO14001を統合して経営・業務のさらなる改善へ

さらに、同社では、調達、製造、物流など様々なプロセスでCO2排出量の削減に取り組むなど、積極的かつ包括的な環境対策を行っているが、ISO14001の認証も1997年には取得している。

「実をいうと、当初は、ISO14001の認証を取得することが目的となっていたように思います。しかし、ISO14001の本来の目的は、経営や業務を改善していくこと。当社でも、これに気付き始めてからは、内部監査などではできるだけ多くの指摘事項を出すようにして、経営、業務の改善に結び付ける取り組みを進めています。」

と三野氏はISO14001への取り組みが深化していると語る。そして、同社では、これまで世界の各拠点で個別に取得していたISO14001の認証の統合化へ向けて動き出した。

「各拠点で個別運用していると、目標設定などもバラつきが出てしまいます。しかし、各拠点のISO14001を統合すれば、審査などが効率化できることはもちろんですが、全社的に同じ目標・ベクトルで取り組んでいくことができ、経営や業務改善につながりやすいと感じたのです。今後は、ISO14001の効果をさらに高めていけると考えています。」

同社では、2010年9月には、国内外30拠点でのグローバル統合認証が完了する予定だが、この統合認証の審査登録機関として、LRQAが選ばれている。

「250年の歴史の中でロイドレジスターグループが培われてきた信頼性を感じたのはもちろんですが、ISO14001が経営改善のためのツールだというポリシーにも共感しました。これからも、審査を通して業務改善につながる積極的な指摘を期待したいですね。」

先人の教えを大切に、さらに新しい価値の創造へ

これまで最先端の技術の追求のみならず、先進的な環境への対応を行ってきた住友ゴム工業株式会社。最後に、三野氏に座右の銘について語っていただいた。

「私の座右の銘は、“君子財を愛す 之を取るに道あり”。これは中国古来の禅の言葉なのですが、明治時代の住友グループの総理事だった伊庭貞剛が好んでいました。企業は、当然利益を上げていかなければならず、それを恥じることはない。その手段、プロセスが大切である。というような意味なのです。」

伊庭貞剛は、明治時代、亜硫酸ガスで付近の農地への被害を出していた別子銅山の精錬所を、莫大な費用がかかるにも関わらず自主的に瀬戸内海の無人島へと移転させた。さらに、“枯れ果てた別子の山々を大自然に戻さなければならない”と考え植林活動を敢行したという。そして、今日では、別子の山々は、美しい自然の山へと蘇り、住友グループの環境活動の象徴的な存在にもなっている。

「今でこそ、環境貢献、企業の社会的責任への対応は当たり前のものとなっていますが、伊庭貞剛は、明治時代の環境問題なき時代に、すでに環境問題、企業の社会的責任について考え、取り組んでいたのです。我々も先人の教えを大切にしながら新しい価値を生み出していきたい、そう考えています。」

と語る三野氏の熱い眼差しからは、“先進性”と“信頼”というふたつのアイデンティティによって成長を続けてきた同社の社会的な役割が、次の100年へ向けてさらに大きくなっていくことを予感させてくれた。

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