トップ > ケーススタディ > LRQA Road to Success > ISO 50001 エネルギーマネジメントシステム / 鋳物業界初、LRQA ジャパン初のISO 50001認証取得へ。エネルギー管理を、ものづくりに貢献する仕組みに。 鍋屋バイテック会社
LRQAのお客様の成功事例をご紹介します。
2012年01月30日
鍋屋バイテック会社
岐阜県関市桃紅大地1番地
TEL.0575-23-1121 FAX.0575-23-1129
http://www.nbk1560.com/
1560年に創業して以来の伝統的な鋳物技術とハイテク・先端技術を兼ね備えた鍋屋バイテック会社。鋳物から液晶・プラズマパネル製造装置や半導体製造装置など幅広い製品群を“多品種・微量生産”、“即納体制”で製造して、お客様の期待と信頼に応えている。
1560年の創業以来、伝統の鋳物技術による伝動機器をはじめ、ハイテク産業を支える精密機械部品など、“多品種・微量生産”で究極のものづくりを目指している鍋屋バイテック会社。同社では、エコ・カンパニーへの大転換をはかるべく、2011年6月にISO 50001の認証取得へ向けてキックオフ。2011年11月現在、すでにステージ1の審査を終え、ステージ2の審査へと準備を進めている。そして、莫大なエネルギーを使用する鋳物業界で初、LRQA ジャパンでも初のISO 50001認証取得を目指している。
現段階で、すでに同社では様々なメリットを実感しているという。2009年比で毎年3%のエネルギー使用量の削減を目標とすることで、改正省エネ法の要求を上回る省エネを推進する体制となった。さらに、同社で運用していた統合マネジメントシステムにISO 50001を組み込むことで、エネルギー効率を部門間統一の指標として、不良率、残業時間などの生産効率、さらには利益などの経営指標まで含めた形で一元的に見える化できるようになった。そして、今後は、これをものづくりにおけるリードタイム短縮につなげようとしている。
ISO 9001をはじめ、ISO 14001、OHSAS 18001を統合マネジメントシステムとして運用していたが、エネルギー管理については、十分に取り組むことができていなかったという。統括部 総務チーム リーダー 安井 浩二 氏は次のように語る。
「正直なところ、エネルギー使用量については、環境報告書をまとめる際にその増減を把握する程度でした。エネルギー使用量の管理を全社レベルで行う必要があると考え、様々な取り組みを進めてきましたが、各部門が自主的に対策を進めるという程度にとどまっていました。計画的・組織的に省エネを進める必要を痛感していた矢先、2011年3月、東日本大震災が発生しました。これから日本の社会は大きく変わっていく、そのいくつかのキーのうち、エネルギー問題は最重要課題の一つであると認識し、将来を見据えた省エネ対策の設備投資を行いました。」
同社では、古い空調やコンプレッサーの一新、LED照明や遮熱シートの導入、さらにはサマータイムの導入や照明など無駄な電力使用の削減を行ったという。また、社員たちには“省エネ”の意識付けをしていった。こうした取り組みで、かなりのエネルギー使用量の削減を実現したという。
さらに、同社では、省エネ対策をより効果的・組織的に推進していくために、ISO 50001を導入することになった。同社 代表取締役社長 金田 光夫 氏は次のように語る。
「定期審査の際に、LRQA ジャパンの審査員からISO 50001をすすめられました。省エネ対策の設備投資でハード面は十分なものになりましたので、あとはシステムを構築して社員たちが確実に省エネに取り組み、成果を上げる体制にすべきだと考え、ISO 50001を導入することになりました。」
同社が、ISO 50001の認証取得へ向けてキックオフしたのが2011年6月のことだが、それからわずか半年後の年内の認証取得を目指した。
「当初は、時間もなく大変なことになったと思いましたね。しかし、元々、統合マネジメントシステムを運用していたこともあり、当社では、品質、環境、安全、経営のアセスメントを評価点で出せる仕組みがありました。エネルギーレビューも同じようなプロセスですから、従来の仕組みに追加するだけで、ISO 50001を構築することができました。」(安井氏)
ISO 50001を統合マネジメントシステムに入れ込むにあたり、追加した項目は、エネルギーアセスメントとエネルギーベースライン・パフォーマンス指標の2項目だけだった。
同社では、統合マネジメントシステムは、社内の全部門が対象となっており、ISO 50001でも全部門を対象にすることになった。
「まず、各部門でエネルギー使用箇所の“ 電気の容量”と“稼働時間”を洗い出してもらいました。これは、OHSAS 18001の“発生の可能性”と“結果の重大性”という考え方と同じようなもので、その二つを掛け合わせて、エネルギー使用量の多い箇所から並べていきました。これによって、どこでエネルギーを著しく使用しているかを見える化できました。」
と統括部 総務チーム 岡部 孝三 氏は語る。
また、同社がエネルギーベースラインとしたのは2009年のエネルギー使用量だが、省エネ設備投資をしたこともあり、2009年に比べて10数% 削減していたという。また、エネルギー使用量が減っている部門とそうでない部門で改善状況の違いが見えてきたという。
「これまでも各部門で不良率などを経営指標として出していましたが、基準がマチマチで各部門を比較しづらい部分がありました。不良が増えると生産効率が落ち、エネルギー使用量も増加します。そこで、エネルギー効率を統一の指標とすることで、各部門の不良率などの生産効率を一元的に見える化でき、2009 年と比較して改善状況の違いを把握できるようになったのです。」(安井氏)
さらに、同社の課題解決プログラムの中で、全部門で2009 年比3%のエネルギー使用量の削減を目標としてPDCAサイクルを回していくことで、改正省エネ法の要求を上回る省エネを推進する体制となった。
同社では、統合マネジメントシステムも含めて、LRQA ジャパンが審査を行っているが、その審査について金田氏は次のように評価する。
「LRQA ジャパンの審査員には、経営をどう改善していくかという視点で、常に状況の変化に応じた指摘をしてもらえます。高度な指摘が多く、まさにビジネスパートナーというべき存在ですね。」
現在、同社では、ステージ1 審査を終えたところだが、ステージ2審査へ向けて、安井氏は次のように語ってくれた。
「ISO 50001 の仕組みはできあがりましたので、次は、具体的な数字でどうエネルギーを削減していくかを示していこうとしています。そして、将来的には、節電だけではなく発電や再生可能エネルギーの使用、さらにはゼロエミッションまでを目指していきたいと考えています。」
そして、最後に金田氏は次のように締めくくってくれた。
「ISO 50001は、単に“節電”ということなのではなく、不良を減らし、生産効率を高め、ものづくりにおけるリードタイム短縮を目指すことで、結果として自然に省エネを進める、そのような仕組みとなるのです。エネルギー効率によってものづくりのレベルを測定し、改善していくツール、それがISO 50001だと考えています。」
鋳物業界初、そしてLRQA ジャパン初のISO 50001の認証を取得しようとしている鍋屋バイテック会社。莫大なエネルギーを必要とする鋳物業界にとって、同社の認証取得は大きなインパクトを残すことだろう。
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