コラム
LRQA情報誌「Value Eyes」やお客様向けメールニュースにてご紹介したLRQA ジャパン審査員コラムをご紹介します。
第2回 「森林吸収源」
2010年03月03日
FSC森林管理協議会(Forest Stewardship Council)はドイツのボンに本部を置く環境NGOで以前はメキシコのオアハカに本部を置いていた。日本では当初その出先機関はなくWWFジャパンが代行していた。FSCは社会、経済、環境の三つの分科会により構成され、その森林の認証の基準は10の原則と55の基準に従って実施されるものであった。そこで私たちは英国に出向き、直接責任者に手ほどきを受けその翌年より具体的な認証に着手した。その後WWFジャパンの後援を受け、大学演習林や地方自治体の森林をターゲットにして森林認証を広めていった。
この活動の中で分かったことは、いかに日本の森林が放置されているかであった。外国から安価な木材が輸入されており、高い人件費で森林を経営しても採算が取れないのである。そこで日本の林業者が考えたのは、森林認証を取得し付加価値をつけて木製品を売り出し森に少しでもお金が廻るようにする事であり、それにより違法伐採により輸入される木材を排除し、持続可能な森林経営が成り立つという仕組みである。大分県の森林組合に森林認証についてのセミナーを開いた際、森林を見に行くため若い木こりさんに案内していただいた。その道すがら雑談の中で給与水準を聞いた。東京の同年輩の平均賃金の半分以下であった。恐る恐る生活が大変ではと質問してみた。それに対して当人にっこりして曰く、それ程大変とは思っていないとの事であった。お金を使おうとしても町まで出るのに時間がかかり使う場がないとの事であった。このような条件を満たさないとまともな森林経営は出来ないと認識した。
私は正直、日本の森林の実態を見ると、森林認証の普及だけでは森にお金は廻りきらないのではと思うようになった。そこでカーボンオフセットの出番が来る、また来なければ日本の京都議定書の1990年比6%の削減の中、3.8%を森林吸収で賄うという目標は絵に描いた餅となる事必定と思うようになった。そこで今度は森林認証のみならず森林吸収源認証の普及を目指す事となり、航空機を使って地図を作成する会社と提携しセミナーを展開する事とした。
(第3回へ続く)
LRQAジャパン 地球温暖化サイト http://www.climate-change.jp/
私と温暖化問題
LRQAジャパン版 GHG検証員の『私の履歴書』です。(計6回)
最新記事タイトル
ページ先頭に戻る