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LRQAフードフォーラムレポート 「FSSC 22000は二者監査を大きく削減でき、食品製造事業者と流通事業者にメリットの大きいシステム。」

2011年12月06日

インタビューコール・グローンフェルト LRQAグローバル・フード・プロダクトマネジャー Foundation for Food Safety Certification (FSSC 22000開発・運営機関)会長
左から
(財)食品産業センター 日本食品安全マネジメントシステム評価登録機関 参与 大西 吉久氏
(財)日本食品分析センター 参与 テクニカルサービス部 部長 湯川 剛一郎氏
LRQA グローバル・フード・プロダクトマネジャー FFSC会長 コール・グローンフェルト
日本生活協同組合連合会 執行役員 品質保証本部 本部長 内堀 伸健氏
LRQA Korea 食品審査員 イル・ヒュン

開催日:2011年10月12日(水)
会場:ベルサール半蔵門(東京都千代田区)

2011年10月12日(水)、食品サプライチェーンと食品安全マネジメントシステムの最新動向の紹介と、食品安全の専門家の方々と意見交換を行う「LRQAフードフォーラム」を開催いたしました。注目を集めるテーマであることを示すかのように、70人を超える参加者を集めて会場が熱気に包まれる中、フォーラムがスタートしました。
 
 

世界的な関心の高まりを見せるFSSC 22000

まず、最初に壇上に上がったのは、長年にわたり農林水産省で食品安全に取り組んでこられた財団法人日本食品分析センター 参与 テクニカルサービス部部長 湯川剛一郎氏。日本国内の衛生管理や食品安全マネジメントシステムの変遷と動向についてご説明いただきました。

「日本では、1990年代からHACCPが導入され、2000年代になってHACCPの基礎となる一般的衛生管理(前提条件プログラム)の重要性が再認識されるようになってきました。我が国でも食品衛生法により、“食品等事業者が実施すべき管理運営基準”が義務づけられるようになりました。さらに、ISO22000が普及するとともに、ISO22000と前提条件プログラム規格のISO22002-1を組み合わせたFSSC 22000も関心を集めています。」

続いて、LRQAグローバル・フード・プロダクトマネジャーであり、FSSC 22000の開発・運営機関であるFoundation for Food Safety Certification会長も務めるコール・グローンフェルトが、サプライチェーンとFSSC 22000について次のように解説いたしました。

「現在、90%以上の消費者が食品安全に関心を持つ中、FSSC 22000はサプライチェーン全体で食品安全のリスクを管理、改善していくことができるシステムです。世界の小売業界が中心となり設立されたGFSIが承認したFSSC 22000の認証を取得すれば、透明性が高まり、サプライチェーンと小売業者の強い信頼関係を築いていくことができるでしょう。」

課題だったサプライヤーの管理もFSSC 22000で解決できる

そして、後半は、(財)食品産業センター日本食品安全マネジメントシステム評価登録機関参与大西吉久氏をモデレーターとして各業界の代表者の方々とともにパネルディスカッションを行いました。

まず、日本生活協同組合連合会 執行役員 品質保証本部本部長 内堀 伸健氏からは監査の現状について、「私たちは、現在、1,400以上の工場に製造委託していますが、その取り組みレベルには大きな差があります。また、食の安全を守っていくために、工場だけではなく原料のサプライヤーまでを含めて、私たちが監査をしていかなければなりませんが、責任範囲などが複雑で監査も難しいですね。FSSC 22000のようなシステムが社会の共通基盤になるといいと感じています。」とご説明いただきました。

さらに、湯川剛一郎氏にはサプライチェーンの現状について、次のように語っていただきました。「サプライヤーを無条件に信用してしまったため原産地表示の問題が起きたというケースもあります。中小企業では自らがサプライヤーを監査することは難しいと思いますが、ISO 22000やFSSC 22000のような仕組みを活用することが、解決策になるかもしれません。」

FSSC 22000の普及で負担が大きかった二者監査の削減も

日本の食品安全の状況について意見が交わされた後、LRQA Korea食品審査員イル・ヒュンが、「韓国では、中小企業での食品安全マネジメントシステムの導入はまだまだ、という段階です。中小企業では多くの投資が難しくても、トレーニングで運用面を強化することでFSSC 22000を導入できると考えています。」と、韓国の状況と中小企業での導入のポイントについて解説しました。

さらに、コール・グローンフェルトは、FSSC 22000の展望について次のように説明しました。「マネジメントシステムの導入にはある程度コストがかかりますが、それ以上にリターンも大きいはずです。食品安全スキームの中でも、GFSIが承認したFSSC 22000は、今後急速に広まっていくことが予想されています。」

最後に、モデレーターの大西氏が、「本日、皆さんがお話されたように、FSSC 22000を認証すればGFSIメンバー企業での二者監査は無くなる方向へ進んでいくと思います。今後、FSSC 22000が拡大して、サプライチェーンの監査が効率化していくことを願っています。」と締めくくりました。

FSSC 22000は使いやすい食品安全の規格へ

さらに、パネルディスカッションの後、会場の参加者の皆様からはパネラーに対して次々と質問が飛び交いました。

「FSSC 22000の普及のカギは審査の質だと思われますが、審査員の質はどうなるのでしょうか。」という質問には、日本食品安全マネジメントシステム評価登録機関という立場から大西氏が、「FSSC 22000の審査員になるには、基礎微生物の知識を持たなければならない、食品業界での業務経験が5年以上、といった様々なハードルがあります。さらに、登録審査員を対象としてセミナーを開催するなど、審査員の知識を強化し、審査員の質を高めています。」と説明されました。

また、「GFSIが承認するほかの食品安全マネジメントシステムとFSSC 22000の今後の展望について教えてください。」という質問には、コール・グローンフェルトが次のように説明いたしました。「GFSIの12の認証スキームは、今年末までに再申請が必要となります。Dutch HACCPなど再申請しない規格も出てきており、今後、数が絞られてくると思います。その中で、FSSC 22000は有力な認証スキームのひとつとなるでしょう。」
そして、フードフォーラムの最後には、LRQAジャパン 主席理事 高橋 英雄から次のようにご挨拶させていただきました。

「食品製造事業者からは、役所や流通事業者からの監査にかなりの工数がかかっていたのを、FSSC 22000で簡素化できるという声が出ています。ヨーロッパ各国でバラバラに運用されていた食品安全の規格を、ヨーロッパだけではなく、アメリカ、日本までが一緒になったFSSC 22000は、今後より使いやすい規格になっていくでしょう。食品審査のプロフェッショナルとして、我々、LRQAジャパンがその導入、運用をサポートしていきたいと考えております。」

4時間にわたり熱い議論が交わされ、FSSC 22000の意義についてご理解を深めていただくひとつの機会となった、LRQAフードフォーラム。会場の熱気からは、今後のFSSC 22000の拡大と、食品サプライチェーンの発展を予感させてくれました。

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