LRQAのお客様、審査員のインタビュー記事です。
東京電力株式会社
取締役副社長 原子力・立地本部長
武黒 一郎 氏
電力業界においても、低炭素社会の実現に向けた取り組みは重要なテーマです。当社は、CO2削減に向けて、発電・送電・配電と一貫した電気事業トータルでの対応が必要と考えています。まず、発電においては、発電プロセスにおいてCO2を排出しない原子力発電が中核であり、現在保有している17基の安全・安定運転に加え、4基の新増設計画を着実に進めてまいります。これに風力・水力・太陽光といった再生可能エネルギーを加え、2020年度までに非化石エネルギー比率を50%にすることを目指しています。
また、送電や配電においては、昨今注目を集めているスマートグリッドについて、今後の太陽光発電の導入量拡大への対応を進める中で、電力品質の維持・向上を同時に図るための検討を進めてまいりたいと考えています。
電気の供給側だけではなく、電気の使用側での効率的利用・省エネルギーも低炭素社会の実現には必要不可欠であり、私どもとしても、お客様の電気使用状況の詳細把握などを目的に、新型電子式メータの実証試験に取り組む予定です。その他、ヒートポンプを活用したエコキュートやIHなどの普及に向けて、家庭だけでなく業務用、産業用など、あらゆる分野において電化を推進していきたいと考えています。
こうした環境性(Environment)に加え、今後の経済発展、産業の進展のためには、エネルギーの安定供給(Energy Security)と経済性(Economy)を含めた3つのEの同時達成が、日本にとって極めて重要なテーマです。
中長期的な電力需要は、エネルギー間競争の激化や省エネルギーの進展などを踏まえても年平均1%程度の伸びを見込んでいますが、新規電源の開発、原子力発電所の稼働率アップや、火力、水力などを含めた電源のベストミックス、電力使用の最適化などで、安定的かつ経済的に電力を提供していけると考えています。また、質的な面でも、日本は世界で最高水準を維持していますが、社会インフラを安定的に維持していくための努力を続けていきます。
さらに、今後は、要素技術の開発はもちろん、お客様に安心してご利用いただけるインターフェイスなどを含め、将来の社会生活までを見据えたシステム全体としての開発を広く推し進め、さらに世の中に新しい価値を提供していくことを目指しています。
我々電力事業者にとって、安全と品質は事業価値そのものです。安全、品質を守り抜くために、もちろん我々自身で厳密な設備設計・運用管理を行っていますが、より高い水準にしていくためには、第三者の視点も重要です。
私がロンドン事務所に勤務していた1992年、イギリスのロイドレジスター本社と原子力の使用済み燃料などの技術監査契約を結び、第三者としての役割を託しました。日本においても、柏崎刈羽原子力発電所において、新潟県中越沖地震により被害を受けた設備の健全性確認や耐震性強化工事の適切性の評価を依頼。その内容は設備健全性確認や耐震強化工事のすべてのプロセスを通じて、一般の方々に工事の適切性を理解していただくうえで、重要な役割を担っていただいたと考えています。
また、柏崎刈羽原子力発電所では、原子力発電所の運営管理で日本初のISO9001認証を取得以来、LRQAに審査をしていただいています。単に審査するだけではなく、過去、現在の状況から望ましい状況までを見据えて、その進捗を検証していただいていることは、より高い水準を実現するための大きな手助けとなっています。
ロイドレジスターが250年、確かな品質を維持し、さらに世の中の変化にも対応しながら培ってきた奥行きの深いものの見方。それを当社との関係の中で、今後も発揮していただき、我々もより高いチャレンジを続けながら発展していきたい、そう考えています。
