LRQA英国本部が運営している情報発信サイト Business Assurance.com にて掲載されているインタビューをご紹介します。
インタビュー: ヒューレット・パッカード(HP)社 カール・ダウミュラー(Karl Daumueller) 様
インタビュー実施場所: 2008年10月16日開催 Ethical Supply Chain Summit(独ベルリン)
サプライチェーン社会環境責任監査役 ダウミュラー: カール・ダウミュラーと申します。ヒューレット・パッカードで、“サプライチェーンにおける社会的・環境的責任(SER)プログラム”の監査役を務めています。私は、30年近くHPで働いてきましたが、4年半前からこのプログラムの監査をサプライヤーに対して実施しています。 サプライヤー監査HPのアプローチ - "HP Way" インタビュアー: もしよろしければ、まずヒューレット・パッカードがサプライヤーの監査で使用しているシステムについて少しご説明くださいますか? ダウミュラー: HPのサプライチェーンSERプログラムは、サプライヤーの主体的関与を求めるサプライヤーエンゲージメントモデルを採用しています。 最初のフェーズは、所定の手続きをサプライヤーに導入することです。 これは「共通行動指針 」(Electronics Industry Code of Conduct)と呼ばれるもので、これが監査の基盤となります。サプライヤーには、合意書を提出するようにお願いします。 次に、自己アセスメントの実施をお願いします。 そしてリスクアセスメント - 自己アセスメントから得られた情報に基づいて、監査の実施を決定します。 それから監査報告書を作成し、それをサプライヤーに渡して不適合の指摘と監査所見の通知を行い、是正対策の実施計画を30日以内に回答するように求めます。 その後しばらくして、もう一度そのサプライヤーを取り上げて、是正対策を実施したかどうかを確認するわけです。 この確認作業は、最初の監査の後、6か月以内、あるいは遅くとも通常は1年以内に実施します。 ベストプラクティス・サプライヤーの例 インタビュアー: ベルリンで開かれた「Ethical Supply Chain Summit (倫理的サプライチェーン・サミット)」のプレゼンテーションでは、お話くださったアイデアの一部を導入したハンガリーのサプライヤーの例をご紹介くださいました。 この事例について、少し説明していただけますか? ダウミュラー: はい。そのサプライヤーは、HPが約1年半前に実施した能力開発プログラムに参加したのです。 数社のデンマーク企業と商務当局が一緒でした。 私たちは、準大手サプライヤー数社をHPに招き、中小企業向けにこのプログラムのトレーニングを提供したのです。 この数社のうちの1社が、ご紹介したハンガリーの企業でした。 この企業は、プログラムに参加し、トレーニングに参加し、さまざまな対策、禁止事項、そして改善活動を導入実施しました。 その結果、1年後の報告では労災件数が減少していました。 また、社員の意欲も向上しています。 さらに重要なのは、事業収益の点でも、利益が増えて顧客からの反応も良くなったことでしょうね。 HPにおける監査の原動力 インタビュアー: ヒューレット・パッカードのプログラムでは、監査を行う上で、何が推進力になっているのですか? なぜ、監査はそれほど重要なのですか? ダウミュラー: 監査はサプライチェーンSERプログラムの重要部分の1つです。 私の考えではHPには、部品や原材料の仕入先で何が起こっているかを、社会的・環境的責任の面から確認する義務があると思うのです。 それには、安全や衛生というテーマも含まれます。 プレゼンテーションでも申しましたように、私たちが監査をどのように活用しているかについては、たとえば具体的な禁止事項について説明したり、何らかの形でコンサルティングを提供したり、趣意書を共通化するといった目的でも、日頃から監査を活用しています。 それは、取り締まるというアプローチではなく、むしろコンサルティングのアプローチに近いものです。 完璧なサプライヤーを探し求めて インタビュアー: HPにとって、完璧なサプライヤーとはどのような存在ですか? ダウミュラー: 難しい質問ですね。 私が考える完璧なサプライヤーですが、HPのサプライチェーンマネジメント・システムは優良サプライヤー・スコアカードというものを導入しておりまして、そこには5つの評価基準があります。 「技術力」、「品質」、「対応力」、「コスト」、「経営」ですね。 「経営」の評価には、社会的・環境的責任も含まれています。もし、サプライヤーがこの5つの領域すべてで100%を達成していれば、それが理想のサプライヤーということになるでしょう。